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空想の森の草木染め<2>



「空想の森の草木染め」とは、旧・由布院空想の森美術館の周りの森やそれに連なる由布岳の原生林で採集し、実行していた染織の記録、その後、高見が通い続けている椎葉・高千穂・米良などの九州脊梁山地の森、そして現在居住し活動する宮崎県西都市と高鍋町・木城町にまたがる茶臼原台地の広大な友愛社の森などを包括するイメージです。とくに現在地では、「森の空想ミュージアム」で行なっていた染織の仕事を2009年に友愛社内に開設された「茶臼原自然芸術館」へと完全移転し、障害をもつ人たちとそれを支える職員・ボランティアなどの皆さんと一緒に活動を続けています。これらの活動の中から、森の空想ミュージアムと茶臼原自然芸術館の周辺の地域だけでも、50種を上回る染料植物を確認しています。現在、それを実際に採集して染め、記録する作業を続けています。この作業を核に、「高千穂・秋元エコミュージアム」や「平成の桃源郷/西米良村おがわ作小屋村エコミュージアム」など、現地に出かけて採集し染織するワークショップのデータなどが加わり、ページを構成してゆきます。




茜草を採集し、茜色を染めた[空想の森の草木染め<38>]
夏の森の草木染めin諸塚より



諸塚山脈の尾根を縫って走る「六峰街道」を移動しながら、時々車を停めて林の縁や林道の両脇
などを探してみたが、「茜草」は見当たらなかった。標高1000メートル級の山の峰近くの乾燥した土壌
のところには茜草の分布はみられない。
場所を変えて、山の中腹まで下り、ヤマメ釣りに入る渓流沿いの道に出ると、道端のそこここに
細い茎をすっと伸ばし、茎の途中に細長いハート型の葉を四方に伸ばし、
先端に白い小さな蕾を付けた独特の姿がみられた。
これでよし。採集場所はここにしよう。
下見に2時間を要したため、楽しみにしていたヤマメ釣りの時間がなくなった。
それほど諸塚の山は大きく、深い。



夕焼け空の色を表す「茜色」のことは誰でも知っているが、その茜色はどうやって染めるのか、
「アカネ」という植物がどのような草でどこに生えているか、それをどのように採集して茜色を染めるのか、などということを知る人は少ない。しかしながら、日本人は万葉の時代からこの色を愛好し、多用し、歌に詠み、親しんできた。その「知」と「技」の部分を切り捨て、忘れ去ってきたのが、明治以降の百年、厳密にいえば戦後の半世紀という時代であろう。森へ行き、植物を採集し、その植物のことをよく知り、「色をいただく」という作業は、この半世紀たらずの間に失った大切なものを見つめなおし、取り戻す仕事のひとつかもしれない。


・これが茜草



沈み橋のある沢を渡り、林道の途中まで車を乗り入れて採集にかかる。
林の縁と林道との境の草地。ゆるやかな山の斜面。猪が餌を漁った跡のある所。そんな場所を茜草は好んで生えるのか。あるいは、そんな厳しい環境の中でこそ、生き延びてきた逞しい植物というべきか。




茜草は、一つの株から何本もの茎を伸ばし、その茎が地面を這い進んで、ある一定のところから、草むらの中を上方へ向かう。そして細い茎の先端を草藪の最上部に出し、他の草に絡みつきながら勢力を伸ばしてゆく。数本の群生を見つけたら、まず地面を這って伸びている茎を伝って、その大元というべき株の根っこを探り当てる。するとそこから四方八方に勢力を拡張している茎が見つかる。そこを掘り始める。すると間もなく、地中に張り巡らされた赤い根が見つかる。一本見つかると、あとはもう芋づる式というか、際限なくというか、
かなりまとまった数量の「赤根」が得られるのである。藪を払い、ギザギザの茎で手を少し傷め、
掘り進んでいく根気さえあれば、ある程度の量が確保できる染料であることが判明した。
やってみるまで分からぬということは世に多いが、茜も例外ではなかった。




根気の要る仕事は女性陣にまかせて、山案内の翁はしばらく沢へ。
まだ露の残っている真夏の朝の渓流で、威勢のいいヤマメを二匹釣り上げて、気分爽快。
この谷に昔からいる天然もののヤマメだ。体側に紅色の横線が走っている。



これが採集した茜草の根。文字通りの赤い根である。沢の水できれいに洗っておく。




煮沸。すぐに赤い染液となった。



布を入れる。呉汁付けをし、ミョウバンで先媒染しておいた木綿のバンダナ、Tシャツ、
広幅の木綿布などを染める。みるみる赤い色に染まり始めた。




森の中の作業風景。地元の女性たちも参加してくれたが、畑の縁に生えている厄介な雑草から、
このような鮮明な色の出ることに感嘆の声があがる。




染め上がった布が、森の中を吹く風に翻る。

鹿肉と夏野菜と薬草のカレーを作った
[空想のもりれの草木染め<番外>]




「茜染め」/森の中の染色風景を追加。



晩夏の山は、秋の花が花盛り。夕食には、先日解体した鹿肉と、諸塚産の夏野菜、
この日に採集した薬草などを加えてカレーを作った。
カレーに入れた薬草は、イワタバコの葉、クサギの花、クチナシの花、ヨモギ、ハギの花。
カレーは大好評。なんといっても素材の良さだ。満腹後に、カレーをまた一皿、そしてビールを。





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(SINCE.1999.5.20)