九州神楽紀行
*神楽フィールドワークスケジュールです。
各地の神楽の日程を確認しながら進めていきます。
神楽の予定は現地の事情で直前にしか決まらなかったり、変更になったりします。
事前の確認が必要です。
*この企画、はこれまで「森の空想ミュージアム/九州民俗仮面美術館」
が行ってきた「神楽フィールドワーク」を
「阿蘇トラベルデスク」との共同企画として実行します。
以下は過去の実施データから
九州神楽紀行
九州・宮崎の神楽は、記紀神話・天孫降臨伝承を骨格とし、五穀豊穣・狩りの豊猟に感謝し、来る年の豊作を願う集落の祭りであり、土地神の祭祀です。神楽は、集落に鎮座する神社での神事のあと、神々が神楽宿(民家)に舞い入り、夜を徹して33番の神楽が舞われます。神楽歌が歌われ、古格を保った仮面神が次々と登場します。仮面文化の十字路ともいわれ、多くの仮面を伝える神楽の現場を、長年仮面の収集研究と神楽探訪を続けている九州民俗仮面美術館館長・高見乾司がご案内し伝承者の皆さんや地域の人と交流します。 |
2014-2015スケジュール
*暫定スケジュールです。
各地の神楽の日程が少しずつ決まり始めています。
今季はこのスケジュールに従って実行しますが、神楽の予定は現地の事情で
直前にしか決まらなかったり、変更になったりします。事前の確認が必要です。
*この企画は森の空想ミュージアム/九州民俗仮面美術館が行なう「神楽フィールドワーク」です。
□企画1 2014年11月8日(金)〜10日(日)
☆高千穂/押方五ケ村神楽 定員に達したため予約締切ました。
高千穂の北方に位置し、古形を残す神楽。神楽シーズンの幕開け。
*11月15日と16日は「東京藝術学舎」(明治神宮前キャンパス/京都造形芸術大学&
東北藝術工科大学と宮崎県の共催による)で神楽と仮面に関する講義。
□企画2 2014年11月21日(金)〜23日(日)
☆西都市/尾八重神楽(おはえ)神楽
宮崎県西都市尾八重地区は、米良山系旧・東米良に位置し、標高600メートル〜900メートル
の高地に集落が点在します。平家の落人伝説や南北朝伝承を秘める村は、まるでアジアの
山岳の村をみるような景観がひらけています。尾八重神楽は、米良神楽系の優美な神楽で
南朝の皇子・懐良親王伝承、修験道の影響、狩猟儀礼などが顕著にみられます。神楽の
中盤、法螺貝の音に誘われて土地神の「宿神」が登場すると、神楽の場は厳粛な雰囲気に
包まれます。現在、村に伝承者はおらず、都会へ転出した人たちが練習を重ね、一年に一度
地区の鎮守神社である「尾八重神社」に神楽を奉納するというかたちで開催されます。
村出身の人や遠方からの神楽愛好家などが集まり、中世の絵巻を見るようなお祭りの場は
一晩中、賑わうのです。また、この期間、村の中心部にある古民家ギャラリー「椿一番館ギャラリー」
で地元の若手アーティストたちが中心になって「尾八重神楽」を取材した企画展を開催しています。
このギャラリーは、神楽の間、休憩や交流の場となります。お気軽にお立ち寄り下さい。
□企画3 2014年12月5日(金)〜7日(日)
☆椎葉/嶽之枝尾(たけのえだお)神楽・「宿借(やどかり)」
「注連引鬼神(しめひききじん)」などがある、椎葉を代表する神楽。
□企画4 2014年12月12日(金)―14日(日)
☆西米良/村所(むらしょ)神楽
・南北朝の物語を秘める神楽。都ぶりの優美な神神楽(かみかぐら)と
山里の物語を伝える里神楽が中世の絵巻のように展開される。
□企画5 2014年12月19日(金)〜21日(日)
☆椎葉/向山日当(むこうやまひあて)神楽/中止の場合は高千穂/浅ケ部神楽)
□企画6 2014年12月26日(金)〜28日(日)
☆西米良/竹原神楽
・南朝の皇子懐良親王入山の地と伝えられる。
*諸塚神楽の日程が変更になりました。
今年は埼玉県蕨市文化ホールでの南川公演があるため、例年と少し違った日取りになります。
□企画7 2015年年1月23日(金)〜1月25日(日)
☆諸塚/戸下神楽
・戸数9戸の戸下集落に伝わる。20時間近くをかけて舞われる圧巻の神楽。
□企画8 2015年1月29日〜2月1日
☆諸塚/南川神楽
・七体の荒神(「三宝荒神」と「舞荒神」)の荒神問答がクライマックス。
□企画9 2015年2月28日〜3月1日
☆諸塚/桂神楽
・10年に一度の大神楽です。約24時間をかけて33番が舞われます。
*以下は春神楽(作祈祷神楽)
☆2014年2月111日 日南市北郷町・潮嶽神楽 海幸彦の舞が残る貴重な神楽
☆2014年3月21日 宮崎市清武町・船引神楽
☆その他 宮崎市・生目神楽(3月)、日南市・宮浦神楽(4月)など。多数あり。
春神楽の詳細な日程等は後日発表します。
□神楽前日に夕刻までに宮崎入りしていただき、「九州民俗仮面美術館」での
レクチャーと猪鍋を囲む懇親会。神楽の当日、午前10時頃出発し、現地入りします。
□行程(概略)
1日目 午後5時頃までに宮崎空港→JR日豊本線高鍋駅へ。駅までお出迎え→九州民俗仮面美術館→同館で夕食(猪鍋、鹿肉シチューなど)と神楽レクチャー→宿泊先へ
2日目 午前10時出発→現地の神社に参拝、集落の散策などの後昼食、午後3時頃より神楽鑑賞
3日目 午前10時頃神楽終了→現地の温泉でゆっくり過ごした後昼食→最寄のJR駅または空港へ
□ 旅行費用について
◇ 参加費 お一人様10000円
◇ 旅費・宿泊費 各自手配をお願いします。全日空等の「ホテルパック&フライトパック」で予約しますと、ホテル一泊付き往復28000円前後(季節により変動)で購入できます。
◇ レンタカー借用料 参加者により割り勘方式とします。
*参加人数により費用が変わります(お一人様5000円程度)。
◇ 諸費用 各自現地精算とします。
*ご神前お一人1000円〜3000円(任意)*食事代2泊3日5食分(道の駅での物産や現地でのふるまいなどを楽しむ)
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*この企画は、「九州民俗仮面美術館」のフィールドワークとして実行します。したがって
通常の旅行代理店等の旅行企画とは違います。レンタカー使用の場合はレンタカー保険
などをかけてありますが、各自任意の旅行保険をかけておいていただくと安心です。
□主催・九州民俗仮面美術館/宮崎県西都市穂北5248−13
TEL0983−41−1281*高見携帯090−5319−4167
・主催/連絡先 九州民俗仮面美術館 宮崎県西都市穂北5248−13
・お問い合わせは 高見乾司 (携帯電話)090−5319−4167へどうぞ
海神に捧げる神楽
鹿児島県大隈半島内之浦岸良の「夏越祭り」
2013年8月14日
海神に九州の最南端大隈半島・肝属町内之浦平田神社に伝わる「夏越祭り(通称ナゴシドン)」を訪ねます。
この企画は、毎年行なっている「九州民俗仮面美術館」のフィールドワークとして実行しますが、今年は、宮崎の若者たちと神楽の若手伝承者たちが中心になって活動が開始された「MIYAZAKI神楽座」との共催で、同会の第二回勉強会として実施します。
開催日は8月14日。午後2時ころ平田神社に集まり、神事のあと、浜へ巡幸し、開催されます。
この「夏越(なごし)祭り」では、祭神の大山祇命(オオヤマツミノミコト)を中心に、金山彦命(カナヤマヒコノミコト)、
猿田彦命(サルタヒコノミコト)の三体の仮面が、鉾に取り付けられ、神社から近くの浜まで祭礼の行列を先導します。
三体とも赤の鼻高面です。三体の仮面は、浜に着くと鉾に取り付けられたまま海水で清められ、砂浜に立てられて、
その前で神事が行われます。神事に続いて、神舞(カンメ=神楽)が奉納され、神楽が終わると、海岸に注連縄が張られ、
その注連縄をくぐって厄払いをします。神舞は戦前までは夜を徹して三十三番が奉納されたということですが現在は
「剣舞(少年による)」、「鬼神舞」「山の神舞」などの数番となっています。
すなわち、「神楽」と「夏越の祭り」が混交して伝えられているのです。
あくまでも青い海、赤い仮面、海風にはためく幟旗(のぼりばた)などが、南国の情趣に彩りを添えます。
その黒潮の海のすぐ先が、中国大陸・アジアへと続いていることが実感できる風景です。
[宮崎の春神楽を見る]
二月、旧正月が明ける頃、宮崎の「夜神楽」が終わり、「春神楽」の季節となります。
これは、「夜神楽」が、旧暦霜月(11月)の祭りで、太陽神復活を願う祭りと豊作を祝う収穫祭に狩猟儀礼が混交したもので、
「春神楽」は、秋の豊作を祈願する農耕儀礼と大漁を祈願する海神の祭りなどが混交したものであるからです。夜神楽は、九州脊梁山地を中心とした山地に多く分布し、春神楽は、宮崎平野や西都・高鍋地区の平野部や日南海岸沿いの海辺の集落に点在します。夜を徹して上演される、きりりと厳しい夜神楽こそ究極の神楽の楽しみといえますが、黒潮の響きを聞き、梅の香に春の息吹を感じながら見るのびやかな春神楽もまた心地よいものです。
以下に高見の今季の春神楽取材・鑑賞の日程を記します。現地合流歓迎です。
[2013年・春神楽取材スケジュール]
潮嶽神楽
2月11日(土曜) 午前9時30分頃〜午後3時頃
日南市北郷町潮嶽神社 TEL0987−55−3252
全国で唯一、「海幸彦」を主祭神とする潮嶽神社。記紀神話が伝える海幸彦の物語には後日談がある。山幸彦との戦いに敗れた海幸彦は、漂流の果てに潮嶽(現在の日南市北郷町北河内)に漂着し、晩年をこの地で過ごしたというのである。土地の人々は、この地で没した海幸彦を手厚く祀った。それが潮嶽神社である。潮嶽神楽は、この潮嶽神社に伝わる。春の気配が里に満ちる二月初旬の午前十時ごろ始まる「春神楽」である。拝殿には、十数頭の猪の頭が供えられており、古式の巫女舞が奉納された後、境内に設えられた舞庭(御神屋)に舞い人たちが出て、賑やかに神楽が始まるのである。
生目神楽
3月16日(土曜) 午後1時より神事〜午後11時頃まで
宮崎市生目 生目神社 TEL0985−47−8272
「目の神様」として親しまれる生目神社だが、この生目神社に伝わる生目神楽には、「神武」という演目がある。「方社」「稲荷山」「金山」「里人」「陰陽」「神武」などが出る一連の演目である。今年はこの演目に注目したい。生目神社周辺には生目古墳群があり、その東端は宮崎神宮辺りに達している。宮崎神宮は神武が始めて政務を行なったと伝えられる地点に近い。はたして神楽の「神武」と神武伝承が関連しているのかどうか。さらに生目神社に伝わる鎌倉時代の年号入りの仮面と神楽の関連は如何に。
船引神楽
3月20日(水曜・春分の日)
午前10時より神事、10時30分頃より神楽開始。午後3時頃終了。
宮崎市清武町 船引神社 TEL0985−85−1628
江戸時代初期には既に独立した「船引神楽」として定着したと伝えられる。神社の境内に華やかに御神屋が設えられ、勇壮な鬼神舞、めご面が天地陰陽の法則を説く「めご舞」、「杵舞」などがあり、作祈祷神楽すなわち春神楽の代表的な神楽である。
□日南市「宮浦神楽」
4月21日(日曜) 午前9:30〜午後3:00頃まで
場所 日南市鵜戸神宮近く/宮浦神社隣接地のJA鵜戸支所広場
*(雨天の場合は宮浦小・中学校体育館で開催)
*会場はいずれも宮浦神社の隣接地です。広い駐車スペースがあります。
宮浦神社は鵜戸神宮に近く、山をひとつ隔てて「海幸彦」の神楽を伝える潮嶽神社があります。
宮浦神社の裏手には「玉依姫」を祀る陵墓(参考地)があります。また神楽後半で「住吉三神」の舞があり、
豪壮な仮面をつけた住吉の舞があります。「海の神楽」の要素をもつ格調高い神楽です。
□日之影町「日之影神楽祭り」
4月28日(日曜) 午前8:30〜舞い入れ午後4:00頃まで
場所 日之影町青雲橋横/道の駅青雲橋の隣接地にある「日之影神楽伝承館」
*駐車場は道の駅青雲橋またはその周辺(案内係がいますので指示に従って駐車してください)。
日之影神楽祭りは、日之影神楽を伝える五座の神楽座が、各座交替で三十三番を上演します。
日之影神楽は高千穂神楽が伝わったとされます。この「日之影神楽祭り」で、日頃見る機会の少ない
日之影神楽の全貌と、断片的に残る高千穂の神楽の古形などを見ることができます。
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